老齢年金に加えて個人年金があると介護保険料が増える?

2024.07.10 更新
あなたが65歳以上の場合、老齢年金が多ければ介護保険料も高くなります。さらに、個人年金が加わると保険料はどうなるのか。この記事では個人年金をもらった場合の介護保険料について説明していきます。

この記事のまとめ(ポイント)


▶個人年金で介護保険料が増える?
厚生年金などの老齢年金のほかに個人年金も受け取ることで所得が増えれば、金額によっては介護保険料が増えることがある。
※くわしくは下記で説明しています。


▶増えないこともある?
個人年金によって所得が増えても、介護保険料の段階が変わらない程度であれば保険料は増えない。


▶増えるのは介護保険料だけ?
個人年金を受け取ることで税金なども増える場合があるので、受給する予定のひとは心の準備をしておく。
※くわしくは下記で説明しています。


この記事の目次
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個人年金をもらうと介護保険料が増える?

65歳以上になると支払うことになる介護保険料ですが、個人年金をもらうことで保険料が増えてしまうことがあります。

ただし、金額によっては保険料が変わらないこともあるので、計算方法を把握しておきましょう。
※介護保険料は収入や所得、住民税の課税状況によって決まります。

変わらない場合もある?

65歳以上の介護保険料は、段階ごとに保険料が変わるしくみになっており、段階は本人の収入などによって変わります。

したがって、個人年金をもらってもボーダーラインを超えなければ保険料は変わりません。
※保険料の決まり方は下記で説明しています。

65歳以上の介護保険料はどう決まる?

65歳以上の方の保険料は以下の表のようになっています。
※ちなみに介護保険料は市区町村によって変わります。自分の市区町村HPで確認することをおすすめします。

年金収入等とは、前年(1月~12月まで)の公的年金等の収入 + 前年(1月~12月まで)の公的年金等の収入を除く合計所得金額のこと。
※遺族年金や障害年金などの非課税所得になるものは収入に含みません。
※上記表では第9段階まで分けていますが、市区町村によっては17段階以上に分けている場合もあります。自分の市区町村HPで確認することをおすすめします。

保険料表をみてもよくわからない…
上記の介護保険料の決まり方を見てもよくわからないひとのために、下記で金額をシミュレーションしています。

介護保険料は本人の収入だけでなく、住民税の課税状況によっても変わるのが特徴です。
介護保険料の計算のやり方は?
年金収入が少なめのひとは保険料もそこまで高くない


年金収入120万円以下だといくら?
たとえば、世帯に住民税を課税されている人がおらず、本人の公的年金等収入が120万円以下だとすると、介護保険料は月額約3,150円(年間約37,800円)になります。個人年金を含んだ場合の計算方法は下記で説明していきます。
上記表と照らし合わせると、第2段階である基準額(月額)× 0.5がひと月あたりの介護保険料になります。
※基準額(月額)を6,300円とした場合で計算。
※介護保険料はお住まいの市区町村によって倍率などが変わります。

※介護保険料は65歳以上の介護保険料シミュレーションで大まかに計算可能です。

上記表の老齢年金の所得(雑所得)に加えて、個人年金についての所得(雑所得)がある場合、合計所得金額の部分が増えることになります。
※したがって、金額によっては保険料が増えることがあります。くわしい計算は下記で説明していきます。


個人年金をもらった場合の介護保険料を計算

老齢年金のほかに個人年金ももらった場合の介護保険料を計算してみましょう。

個人年金についての収入がある場合とない場合でシミュレーションしていきます。

個人年金についての収入がある場合

たとえば老齢年金が210万円、個人年金が100万円(雑所得30万)とした場合。

65歳以上で去年1年間(1月~12月まで)の老齢年金が210万円のとき、老齢年金についての所得(雑所得)は以下のようになります。

210万円年金収入110万円公的年金等控除 = 100万円雑所得
※ここで説明する「老齢年金」とは公的年金等のこと。
公的年金等とは国民年金や厚生年金などのこと。
※控除については公的年金等控除とは?を参照。
※公的年金等控除はこちらのシミュレーションで計算できます。
※参照:国税庁公的年金等の課税関係

次に個人年金についての所得を計算
個人年金収入が去年1年間(1月~12月まで)で100万、必要経費が70万のとき、個人年金についての所得(雑所得)は以下のようになります。

100万円個人年金収入70万円必要経費 = 30万円雑所得
※個人年金の必要経費は契約している保険会社から送られてくる明細書に記載されています。

それぞれの所得を合計
あなたの所得が上記2つの所得のほかに無いとすると、あなたの合計所得金額は130万円となります。

100万円雑所得30万円雑所得 = 130万円合計所得金額

介護保険料を計算
上記表と照らし合わせると、基準額×1.3が介護保険料になります。基準額は6,300円とすると、月額8,190円(年間98,280円)となります。

個人年金収入がない場合
たとえば老齢年金が210万円とした場合。

65歳以上で去年1年間(1月~12月まで)の老齢年金が210万円のとき、老齢年金についての所得(雑所得)は以下のようになります。

210万円年金収入110万円公的年金等控除 = 100万円雑所得
※ここで説明する「老齢年金」とは公的年金等のこと。
公的年金等とは国民年金や厚生年金などのこと。
※控除については公的年金等控除とは?を参照。
※公的年金等控除はこちらのシミュレーションで計算できます。
※参照:国税庁公的年金等の課税関係

上記の所得のほかに無いとすると、あなたの合計所得金額は100万円となります。

100万円雑所得 = 100万円合計所得金額

さいごに介護保険料を計算
上記表と照らし合わせると、基準額×1.2が介護保険料になります。基準額は6,300円とすると、月額7,560円(年間90,720円)となります。

▶いくら差が出る?
上記の場合、個人年金の有無によって介護保険料は年間約7,000円の差が出ます。
※ただし、介護保険料の基準額や料率のボーダーラインは市区町村によって異なります。したがって、お住まいの地域によってはもっと多くの金額差になることがあります。自分の町のHPで確認することをオススメします。
※介護保険料は65歳以上の介護保険料シミュレーションで大まかに計算可能です。

個人年金をもらうことで増えるお金は介護保険料だけじゃありません。下記で説明していきます。

個人年金で税金や保険料も増える?

老齢年金に加えて個人年金も受け取ることになれば、税金や国民健康保険料も増える場合があります。
※健康保険の扶養に入っており、国民健康保険に加入していない場合を除く。

▶どれくらい増えるの?
たとえば公的年金等の収入が180万~300万のひとが個人年金を受給したとき。

▶税金は?
雑所得が10万円増えると、上乗せされる税金は年間約15,000円です。
※所得税約5,000円、住民税が約10,000円。
※たとえば個人年金が48万(月4万)で経費が38万なら雑所得は10万。


▶保険料は?
雑所得が10万円増えると、上乗せされる国保の保険料は年間約12,000円です。
※65才未満は約14,000円
※くわしくは下記の記事で解説。
個人年金をもらってるときの税金と保険料はいくら?

以上のように、個人年金をもらうことで所得が増えれば保険料が増えることになります。残念ですが、受け取る予定のひとは心の準備をしておきましょう。

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