ダブルワークの年末調整と確定申告をパッと解説

2024.05.25 更新
会社員のダブルワーク、パートやアルバイト掛け持ちでダブルワークをしている場合、年末調整や確定申告はどうしたらいいのか悩む方も多いでしょう。この記事ではダブルワークで給料を両方の勤務先からもらっている場合の年末調整と確定申告についてわかりやすく説明していきます。

この記事のポイント(要点まとめ)


▶ダブルワークしてる人は月収が少ないほうで年末調整するの?
アルバイトやパートの掛け持ちなどをしている場合、年末調整をするのは主な勤務先だけ(月収の多いほう)。2つ提出しても正しく精算されない。
※くわしくは下記で説明しています。


▶掛け持ちで確定申告しない場合どうなる?
確定申告をしないとあなたが納める所得税が正しく計算できない。ただし、ダブルワークをするひとでも確定申告をしなくてもいいときもある。
※ちなみに、税金が戻ってくる場合が多いので申告したほうがいい。くわしくは下記で説明しています。


▶掛け持ちで年末調整をしないと確定申告は必要ですか?
年末調整をしてもしなくても正しく精算できないので、確定申告で精算しないとあなたが納める所得税が正しく計算できない。
※確定申告書にはそれぞれの勤務先の給与収入を入力することになります。くわしくは下記で説明しています。


▶ダブルワークは税金が多めに引かれる?
両方の勤務先で税金が天引きされているはずなので、本来より多めに引かれていることが多い。
※くわしくは下記で説明しています。


この記事の目次
年末調整はどっちに提出?2つ提出する?
年末調整は主な勤務先で行う

アルバイトやパートを掛け持ちしている場合、年末調整主に勤めている職場で行うことになります。
※給料が少ない方の勤務先は年末調整の書類を提出しなくてOK。両方で提出してしまった場合については下記で説明しています。

どちらの職場でも年末調整を行ってしまうと所得控除が重複して適用されてしまうため、本来の税額よりも少なくなってしまう場合があります。
※ダブルワークの年末調整の書き方は↓の記事で説明しています。
アルバイトを掛け持ちしてる場合の年末調整の書き方・記入例


2つ提出しちゃダメなのは何故?
2つ提出しても正しく精算されないから。

年末調整を2つの勤務先でおこなってしまうと、正しく精算されない理由は下記のとおりです。


×税金が正しく精算されないとき
それぞれの勤務先の給料が各80万円だとして、年末調整を2つの勤務先でおこなってしまうと、それぞれの勤務先で収入80万円として税金の計算をしてしまう。
→すると、所得控除(基礎控除など)を重複して受けてしまうことになるので、本来よりも過剰に控除されて、納める税金額が少なくなってしまう。
※たとえば1年間の収入が103万円以下だと、基礎控除があるおかげで所得税が0円になります。これを両方の勤務先でおこなってしまうと、両方の勤務先で所得税0円として処理されてしまい、間違った税金計算になってしまう。所得税が0円になる理由はこちらの記事を参照。


〇正しく精算されるとき
それぞれの勤務先の給料が各80万円だとしたら、合計収入160万円として税金の計算をする。
※ダブルワークの年末調整の書き方はアルバイトを掛け持ちしてる場合の年末調整の書き方・記入例で説明しています。年末調整の書類を両方で提出しないようにしましょう。

両方で年末調整を提出しちゃった場合は?
収入の少ない方の勤務先(ダブルワーク先の会社)に提出を取り消してもらう、または確定申告をすれば問題ありません。

ダブルワークなどをしている場合には、基本的には確定申告をして税金を精算することになります。
※確定申告のやり方は簡単なので安心してください。

したがって、両方の勤務先で年末調整をしてしまっても、確定申告をして正しい金額を支払えば特に問題はありません。

※また、ダブルワークは税金が多めに取られていることが多いので、確定申告をして税金を返してもらうことをオススメします(下記を参照)。
※年末調整で扶養控除等申告書を2つ出してしまった…という方は確定申告をしましょう。

※※副業が禁止されており、ダブルワークをしていることがバレたくない場合は注意しましょう。給与支払報告書が市区町村に提出されているので、基本的にはダブルワークをしていることが主な勤務先に伝わることになります。


ダブルワークの確定申告について
ダブルワークは基本的に確定申告が必要

ダブルワークなどでアルバイトやパートを掛け持ちしている場合、基本的には確定申告が必要になります。
※ダブルワークの場合、年末調整だけでは正確な税額が計算されないため、確定申告をして正確な税金を納めなければなりません。


確定申告をすれば税金が戻ってくる場合があるので、なるべく確定申告をすることをオススメします(くわしくは下記で説明しています)。
※ただし、下記で説明するように確定申告をしなくてもいいときもあります。

確定申告をしなくていいときもある?
ダブルワークをしている方でも以下の条件のどれかにあてはまるときには確定申告をする必要はありません。ダブルワークをしている方はチェックしておきましょう。
※確定申告をする場合は2つの勤務先の給料をすべて申告しなければいけません。
※出典:国税庁確定申告を要しない場合の意義
  • 給料を2つの勤務先から受けており、年末調整されなかったほうの給料が1年間(1月~12月まで)で総額20万円以下のとき
  • 2つの勤務先の給料の合計が1年間(1月~12月まで)で150万円以下のとき
    ※片方の勤務先で年末調整を受けている場合。
    ※収入が給料のみの場合
  • 参照:国税庁給与所得者で確定申告が必要な人

ダブルワークの確定申告のやり方は?

今はネットでかんたんに確定申告書を作成できます。作成した申告書を郵送して確定申告を終わらせましょう。


いつ確定申告をすればいいの?
確定申告をする期間は決まっており、今年1年間(1月~12月まで)の収入について確定申告をする場合は翌年の2月16日~3月15日までに申告をしましょう。
※ただし、遅れても申告できないわけではないので安心してください。

確定申告のながれ
STEP➊2つの勤務先の源泉徴収票など必要なものを用意する
STEP➋確定申告書を作成する
※2つの勤務先の給与を入力しましょう。勤務先ごとに確定申告書をつくるわけではありません。確定申告書にはすべての収入を入力しましょう。
STEP➌確定申告書を郵送し、税金を支払う(または払い戻される)

下記の記事で確定申告書をサッと作成して提出しましょう。
勤務先が2ヶ所以上ある場合の確定申告のやりかた


税金が多く引かれることが多い?
2つの勤務先で源泉徴収されるから。

ダブルワークをしているひとは、ほかの勤務先でも給料から税金が引かれている場合が多いでしょう。
※勤務先は源泉徴収をしなければいけないため。

源泉徴収として引かれる税金額は「おおざっぱ」な金額のため、ひとによっては通常よりも多く引かれ過ぎている場合があります。
※たとえばダブルワーク先の月収が15万だと、本業の勤務先とは別に毎月8,700円の税金が引かれます。月収10万なら毎月3,700円、月収20万なら毎月約2万円引かれます。
※出典:国税庁源泉徴収税額表


このようなときは確定申告をして精算すればお金が返ってくるので安心してください。
※多い場合は数万~10万円ほど戻ってくる場合があります。なのでダブルワークをしている方は確定申告することをオススメします。
勤務先が2ヶ所以上ある場合の確定申告のやりかた


ひとによっては支払った所得税が少ないこともあり、確定申告をすると足りない分の所得税が徴収されることがあります。確定申告をすれば必ず所得税が戻ってくるわけではありません。
※たとえば2つ勤務先の収入が70万円と80万円である場合、給料から所得税が引かれていなければ(または源泉徴収された所得税額が数千円だけであれば)、確定申告をすることで所得税が徴収されます。
※たとえば給与収入の合計が103万以下なのに源泉徴収されている場合は、確定申告をすれば所得税が還付されます。
ダブルワークしていることは勤務先に伝わる?
ダブルワーク先の収入は勤務先に伝わる

複数の勤務先で給料をもらっており、主な勤務先で住民税が天引きされている場合、ダブルワーク先の給料についても、市区町村から主な勤務先に情報が伝達されます。
※ダブルワーク先の給料の情報は給与支払報告書として市区町村に送られています。なぜかというと、市区町村はダブルワークしたぶんの住民税もまとめて徴収するために、その情報を主な勤務先に報告しているからです。
※地方税法第321条の3。
※勤務先がダブルワークを禁止していないか事前に確認しておきましょう。

ここまで説明したように、ダブルワークをしている方は両方の勤務先で年末調整をしても税金が正しく計算されません。基本的に確定申告が必要になることを覚えておきましょう。
※税金が還付されることが多いので確定申告することをおすすめします。