2026年(令和8年)の税制で変更されたルールをまとめました。とくに私たちの生活にかかわるものを下記にまとめました。
※多くの人は2025年よりも2026年の方が所得税が安くなります。
※「123万の壁と160万の壁」が「136万の壁と178万の壁」になりました。そのほか年収の壁については年収の壁とは?を参照。
※2026年の改正で基礎控除が最高104万円になり、給与収入178万円以下であれば所得税が0円になりました(2025年は給与収入160万以下なら所得税が0円でした)。
■給与所得控除が変わる
給与所得控除額が最低65万円から74万円に引き上げられた。
※くわしくは下記を参照。
■扶養親族の範囲が変わる
扶養親族の対象になる条件が「合計所得58万以下」から62万円に引き上げられる。
※これによって123万の壁が136万の壁になりました。
※くわしくは下記を参照。
■特定親族の範囲
特定親族の対象になる条件が「合計所得58万超~123万以下」から「合計所得62万超~123万以下」になった。
※くわしくは下記を参照。
■配偶者特別控除や同一生計配偶者の範囲が変わる
同一生計配偶者の対象になる条件が「合計所得58万以下」から62万円に変わる。
※くわしくは下記を参照。
※配偶者特別控除の変更点については下記を参照。
■勤労学生の条件が変わる
勤労学生になるための合計所得の要件が85万円から89万円に引き上げられる。
※くわしくは下記を参照。
■ひとり親の条件が変わる
ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等の要件が58万円から62万円に引き上げられる。
※くわしくは下記を参照。
■家内労働者等の必要経費の特例が変わる
家内労働者等の必要経費の特例の最低保障額が65万円から69万円に引き上げられる。
■生命保険料控除が少し変わる
23歳未満の扶養親族がいる場合、生命保険料控除額が最大6万円に引き上げられる。
※以前は最高4万円。
※新生命保険料に係る一般生命保険料控除。
※一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の「合計適用限度額」は現行と同じ12万円。
■独身税が導入される
子ども・子育て支援金(独身税)が導入され、すべての方の保険料が上乗せされます。
※くわしくは下記を参照。
※出典:財務省令和8年度税制改正の大綱
ではまずは、基礎控除が9万円引き上げられて最高104万円になったことについて下記で説明していきます。
物価上昇にともない、2026年の税制から基礎控除額が引き上げされました。
低所得者・中所得者については基礎控除額が最大104万円に引き上げられました。
※合計所得132万円、336万円、489万円の低中所得者の基礎控除額が104万円になります。
くわしくは以下の表に示しています。
※2026年の税制(基礎控除の引き上げ)は「2026年1月~12月までの収入」について適用されます。
※基礎控除については基礎控除とはを参照。
※出典:財務省令和8年度税制改正の大綱
※そのほか税制については上記の2026年の税制まとめを参照。
では、基礎控除と所得税の計算例を以下でみていきましょう。
となります。給与所得以外に所得がないので、104万円が総所得金額となります。
※上記の場合、合計所得金額も104万円となります。
したがって、基礎控除額は最大額の104万円となります。
※合計所得が132万以下なので、控除額は104万円に該当します(上記表を参照)。
なので所得税は以下のように計算されます。
※そのほか税制については上記の2026年の税制まとめを参照。
※おすすめ記事:なぜ所得が95万円以下だと所得税は0円になる?
▶2026年の税制はいつから適用されるの?
2026年の税制は「2026年1月~12月までの収入」について適用されます。
※2026年に年末調整をするひと、または、2027年に確定申告をする人※は2026年の税制が適用されます。
※「2026年1月~12月までの収入」について年末調整または確定申告をするひと。
2026年の税制から給与所得控除の最低保証額が74万円に引き上げされます。給与収入220万以下は給与所得控除が74万円となります。くわしくは以下の表に示しています。
※給与収入220万以上の場合は給与所得控除に変化はありません。
※給与所得控除については給与所得控除とはを参照。
※出典:財務省令和8年度税制改正の大綱
となります。給与所得以外に所得がないので、104万円が総所得金額となります。
したがって、所得税は、
となります。以上が所得税が0円となる理由です。
※所得税については所得税とは?を参照。
※出典:財務省令和8年度税制改正の大綱
2026年(令和8年)の税制から控除対象となる扶養親族の所得要件が4万円引き上げされます。くわしくは以下のようになっています。
▶何が変わったの?
たとえば、今まではアルバイトで123万(給与所得58万)を超えてしまうと扶養控除が使えなくなるので親の税金が高くなってしまっていたのが、アルバイト収入が136万(給与所得62万)まで稼いでも扶養親族の対象になるので、扶養控除が適用でき、親の税金が増えなくなりました。
※合計所得が62万以下なら扶養親族の対象になれるようになりました(いわゆる136万の壁になりました)。
※扶養控除とは、16歳以上の扶養親族がいる場合に税金が安くなる制度。
▶注意↓
※2026年の税制は「2026年1月~12月までの収入」について適用されます。
※出典:財務省令和8年度税制改正の大綱
所得は給与所得のみなので、62万円が合計所得金額となります。したがって、この場合17歳の高校生の合計所得は62万以下なので扶養親族にあてはまります。
つづいては19歳~22歳の制度について下記で説明していきます。
2026年(令和8年)の税制から控除対象となる特定親族の所得要件が4万円引き上げされます。
19歳~22歳の子供の所得が62万円を超えてしまい、扶養親族の対象から外れてしまっても以下表の控除額が適用されます。
▶どういうこと?
今までは扶養親族の対象から外れてしまえば控除は利用できませんでしたが、19歳以上~23歳未満の子供については所得が62万円を超えてしまっても最大63万円(最小3万円)の控除が適用されます。
※この制度を特定親族特別控除といいます。
くわしい金額は以下の表のようになっています。
※つまり、19歳~22歳の子供がアルバイトで稼ぎ過ぎてしまっても、子供を扶養している親の税金が急に増えたりすることがなくなりました。
※たとえば2024年までは、子供の収入が103万を少し超えてしまい扶養親族の対象から外れてしまえば、親の税金が約7万円~17万円増えてしまっていました(2026年からは給与収入159万以下(合計所得85万以下)までであれば親の税金は増えません。159万を超えると上記表のように控除額が少しずつ減っていくので、そのぶん親の税金が増えます。くわしい増加額は下記の記事を参照)。
※記事:フリーターや16才以上の学生が親の扶養から外れるといくらかかる?
※注意点などは→ 大学生は150万まで稼いでも問題ない?
※給与所得については給与所得シミュレーションで計算できます。
※上記は19歳~22歳の親族限定の制度です。
※出典:財務省令和8年度税制改正の大綱
2026年の税制では配偶者特別控除のボーダーラインが少し変わります。
2025年の税制では、配偶者の給与収入が160万以下であれば税金の負担が変わりませんでしたが、2026年の税制からは169万以下であれば税金の負担が変わりません。
どう変わったのか以下にまとめています。
このとき、給与所得以外に所得がないので、95万円が合計所得金額となります。このとき、配偶者特別控除の控除額はMAX(38万円)にあてはまります。
したがって、妻のパート収入が169万以下であれば夫の税金は増えません。
※こんなページもみられています:妻が扶養から外れるといくらかかる?夫の税金はいくら増える?
※そのほか税制については上記のまとめを参照。
※出典:財務省令和8年度税制改正の大綱
2026年の税制では、同一生計配偶者や扶養親族、勤労学生などの所得要件が4万円引き上げされます。そのほかくわしい変更内容については以下の表に示しています。
同一生計配偶者については同一生計配偶者とはを参照。
扶養親族については扶養親族とはを参照。
特定親族については特定親族特別控除を参照。
勤労学生については控除の条件がある?勤労学生になるには?を参照。
所得は給与所得のみなので、62万円が合計所得となります。したがって、この配偶者の合計所得は62万以下なので同一生計配偶者にあてはまります。
※出典:財務省令和8年度税制改正の大綱
2026年の税制では「ひとり親」になる条件である所得要件が58万円から62万円に4万円引き上げされます。くわしい変更内容については以下の表に示しています。
※ひとり親についてはひとり親控除とは?わかりやすく解説。ひとり親の3つの条件は?を参照。
こどもの所得は給与所得のみなので、62万円が総所得金額等となります。したがって、あなたの子供の総所得金額等は62万以下なので、あなたは「ひとり親になる条件」の1つを満たします。
※ひとり親についてはひとり親控除とは?わかりやすく解説。ひとり親の3つの条件は?を参照。
※出典:財務省令和8年度税制改正の大綱
※そのほか税制については上記のまとめを参照。
2026年4月(令和8年4月)から子育て世代を支える仕組みとして「子ども・子育て支援金制度」が始まります。
対象はすべての方です。子育て世帯に限らず、高齢者や独身者を含む全世代が負担することになります。
※出典:こども家庭庁子ども・子育て支援金制度について