子どもがYouTubeでお金を稼いでいる場合に気になるのが「扶養控除」です。子供でもYouTubeからの利益がたくさんあれば扶養控除の対象から外れることになります。
※子供が扶養親族じゃなくなり、扶養控除の対象から外れると親の税金が上がってしまいます。
では、子供がYouTubeでどれくらいお金を稼いでいると扶養控除が利用できなくなるのか。次で見ていきましょう。
扶養控除を利用したいなら子供の所得に気をつけなければいけません。
扶養控除を利用するには、あなたの子供の1年間の合計所得金額が48万円以下である必要があります。YouTubeの稼ぎがこの金額を超えてしまうと扶養控除が利用できなくなります。
※2020年1月から扶養親族の所得要件が38万円から48万円に引き上げられました。
合計所得48万円が何なのか以下にわかりやすく説明していきます。
となります。YouTube以外に収入が無いとすると、あなたの子供の合計所得金額は
となります。この場合、1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が48万円以内なのであなたの子供は扶養控除の対象になります。つまり、ほかに収入がなければ48万円までならYouTubeでお金を稼いでも扶養控除の対象になるということです。
※2020年1月から扶養親族の所得要件が38万円から48万円に引き上げられました。
たとえばYouTubeのほかに子供がアルバイトもしており、1年間(1月~12月まで)の給料が90万円、YouTubeでの稼ぎが25万円(雑所得)の場合は扶養控除の対象になるのか見ていきましょう。
まず、給与所得は、
となります。
つづいて、雑所得は、
となります。
したがって、あなたの子供の合計所得金額は、
となります。この場合、1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が48万円を超えてしまっているので、あなたの子供は扶養控除の対象から外れてしまいます。
※2020年1月から扶養親族の所得要件が38万円から48万円に引き上げられました。
あなたの子供がYouTubeでお金を稼ぎ、扶養控除の対象から外れてしまった場合、あなたの税金の負担は約5~17万円増えてしまうことになります。
※親の年収が250~900万円、子供が高校生~大学生としてシミュレーションした場合。
子供の年齢によってどれくらい税金の負担が増えてしまうかについては以下にシミュレーションしてまとめました。
●16歳~18歳の学生が扶養から外れた場合
親族の年収 | 親族が支払う税金 |
---|---|
年収250~400万円のとき | 親族が支払う税金は約52,000円高くなります。 ※所得税は19,000円、住民税は33,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収500~600万円のとき | 親族が支払う税金は約71,000円高くなります。 ※所得税は38,000円、住民税は33,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収700~900万円のとき | 親族が支払う税金は約110,000円高くなります。 ※所得税は76,000円、住民税は33,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
※扶養控除の対象となる家族1人あたり
※上記の表は親族(40歳以下・社会保険加入のサラリーマン)が扶養控除を利用できなくなった場合のシミュレーション。
●19歳以上22歳以下の学生が扶養から外れた場合
親族の年収 | 親族が支払う税金 |
---|---|
年収250~430万円のとき | 親族が支払う税金は約77,000円高くなります。 ※所得税は31,500円、住民税は45,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収540~640万円のとき | 親族が支払う税金は約110,000円高くなります。 ※所得税は63,000円、住民税は45,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収740~940万円のとき | 親族が支払う税金は約170,000円高くなります。 ※所得税は126,000円、住民税は45,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
※扶養控除の対象となる家族1人あたり
※上記の表は親族(40歳以下・社会保険加入のサラリーマン)が扶養控除を利用できなくなった場合のシミュレーション。
あなたの子供がアルバイトをしながらYouTubeの収益もあるときは確定申告をする必要があります。
ですが、YouTubeの収益が1年間(1月~12月まで)で20万円以内なら申告をする必要がありません。
したがって、所得の申告などをするのが面倒なひとはYouTubeからの収益を20万円以内に調整しておくことをオススメします。
ここまで説明したように、親に扶養されている子供がYouTubeでたくさんお金を稼ぐと扶養から外れるので、親の税金が増額してしまいます。
YouTubeで稼ごうとしている子供などは以下のまとめをチェックしておきましょう。
YouTubeでの稼ぎが48万円を超えると扶養控除の対象から外れてしまい、親の税金の負担が増すという説明をしてきました。
しかし、子供がYouTubeなどの動画配信やSNSなどのサービスでたくさんお金を稼げる見込みがあるなら扶養控除なんて気にせずに集中してガンガン稼いでお金を稼ぐ力を育てたほうが賢明です。
扶養控除が利用できなくてもせいぜい10~20万円の負担増になるだけなので、たくさんお金を稼げるなら気にせずに稼いでもらいましょう。
今回のコラムはここまでです。YouTubeと扶養控除の関係についてわかっていただけましたか?