▶103万じゃなくなったのはいつから?
2025年の税制改正によって、2025年からは給与収入が160万以下であれば所得税が0円になる。
※2024年までは103万の壁でしたが、2025年からは160万の壁が適用されます。
※基礎控除が最大95万円になり、給与所得控除の最低額が10万円増えたので、103万を超えても所得税が0円になるようになりました。
※2024年までは103万以下であれば所得税が0円でした。くわしくは下記で説明しています。
▶年収160万を超えても所得税が0円?
基礎控除のほかにも所得控除があれば160万を超えても所得税が0円になる。
※くわしくは下記で説明しています。
2025年の税制改正によって「103万の壁」は「160万の壁」になり、2025年からは年収160万以下なら所得税が0円になります。
しかし、給料が1年間で160万を超えても所得控除があれば所得税は0円になります。
▶最低でも160万なら0円?
2025年1月~12月までの給与収入が160万円のとき、所得税は0円になります。
※所得控除95万円(基礎控除)があるため。2025年の税制改正やくわしい計算過程は次の項目を参照。
▶所得控除が”たくさん”あるとき
2025年1月~12月までの給与収入が180万円だとしても、所得控除がたくさんあるので所得税は0円になります。
※具体的な計算は次の項目で説明しています。
月収が少ないのに、毎月の給料から所得税が天引きされている…という方は多くいます。その原因は、年末調整をしていないからです。
年末調整をしていない方は、毎月の給料から約3%の所得税が引かれてしまいます(源泉徴収)。ですが、安心してください。引かれ過ぎた所得税は”年末調整”をすれば戻ってきます。くわしくは下記の記事で解説しているので、不安な方はチェックしておきましょう。
アルバイトで103万以下なのに所得税が引かれてる…なぜ?
では次に、所得税が0円になる過程を金額をあてはめてシミュレーションしてみていきましょう。
たとえばあなたがアルバイトで1年間(1月~12月まで)の給与収入が160万円の場合、給与所得は以下のようになります。
上記の給与所得(95万円)のほかに所得は無いので、95万円が総所得金額となります。
※総所得金額とは各種所得の合計。
つづいて所得税の計算
総所得金額がわかったので(95万円)、所得税を計算します。
所得税の計算式は以下のとおりです。
したがって、所得税は次のようになります。
上記のように、課税所得(総所得金額 – 所得控除)が0円になるので所得税は0円になります。以上が所得税が0円となる理由です。
上記は所得控除が95万円でしたが、所得控除が95万円よりも多ければ、年収160万(給与所得95万)を超えたとしても所得税が0円になります。
たとえば、勤務先で健康保険や厚生年金に加入していれば「社会保険料控除」が適用されます。
※社会保険料控除額は「支払った保険料」の金額になります。
したがって、所得控除額が95万円よりも増えます。では、社会保険料控除を加えて所得税を計算していきましょう。
では、年収180万で上記よりも所得控除が多くなった場合で所得税をシミュレーションしてみましょう。条件は以下のとおりです。
この条件で所得税はいくらになる?
たとえば1年間の収入が給与収入のみで180万円、所得控除が121万円(
※たとえば、勤務先の健康保険料や厚生年金を1年間で26万円払っていれば「社会保険料控除26万円」が適用されます。
①まずは給与所得の計算
上記の条件のとき、給与所得は、
となります。給与所得のほかに所得がないので、これが総所得金額となります。
②次に課税所得を計算
総所得金額は計算できたので(115万円)、次に課税所得を算出します。課税所得は、
となります。
最初に決めた条件から、所得控除は121万円(
となります。
③所得税を計算
課税所得がわかったので所得税を計算します。所得税は、
となります。課税所得195万円以下は税率が5%なので、所得税は、
となります。
もし社会保険料控除がなければ?
もし社会保険料控除(26万円)を適用しないとすると、そのぶん課税所得は以下のように増えるので、控除を申請したときと比べて税金の負担が重くなってしまいます。このように、社会保険料控除がないと税金が高くなることがわかります。