配偶者に扶養されているひとが仮想通貨で稼いだとき

2021.07.09 更新
仮想通貨取引が盛んになっている現在、夫または妻の扶養に入りながらビットコインなどの仮想通貨でお金を稼いでいる方もいると思います。この記事では配偶者の扶養に入っている場合の仮想通貨の利益について説明していきます。
この記事の目次
仮想通貨で稼いだけど、夫or妻に扶養されている場合どうなる?

パートをしている主婦や専業主婦などのように、配偶者に扶養されている方がビットコインなどの仮想通貨でお金を稼いでいる場合に気になるのが社会保険の扶養配偶者控除(税金が安くなる制度)です。


扶養されている主婦などでも仮想通貨の利益がたくさんあれば税金がかかります


ビットコインなどの仮想通貨でお金を稼ごうとしている方は「自分にかかる税金」と「扶養を外れたときの負担」についてチェックしておきましょう。

この記事の要点

  • 収入130万円が社会保険の扶養のボーダーライン

  • 合計所得が95万円を超えると配偶者の税金が上がり始める

  • 給料をもらっている場合は20万円以下なら申告しなくていい
収入130万円以上で社会保険の扶養から外れる?

あなたが配偶者に扶養されており、あなたの収入が1年間で130万円以上になると社会保険の扶養から外れてしまいます
※ビットコインなどの仮想通貨や給料等の収入の合計が130万円以上。ただし、定期的な収入(頻繁な売買やアルバイトの給料など)じゃなければ扶養から外れない場合があります。くわしくは加入している保険組合にてご確認ください。


社会保険の扶養から外れると、自分で国民健康保険および国民年金に加入して保険料を支払うことになります。


保険料は安い金額ではないので、自分で支払うことになる場合は覚悟しましょう。以下で保険料のシミュレーションをしています。

自分で支払う保険料はどれくらい?

たとえば仮想通貨の利益(雑所得)が1年間で130万円でそれ以外に収入がない場合、国民健康保険料は年間で約14万円になります。
また、あなたが20歳以上なら国民年金の保険料も支払うことになります。国民年金の保険料は年間約20万円です(配偶者の所得が少なければ半額免除が受けられる場合があります。半額免除なら約10万円に減額されます)。

※経費は0円としています。
※国民健康保険については国民健康保険とは?を参照。
※保険料はこちらのページでシミュレーションを行いました。
※東京都世田谷区、年齢39歳以下、加入者1人としてシミュレーションしています。

合計所得が95万円を超えると配偶者の税金の負担が増え始める?

あなたが配偶者(たとえば夫)に扶養されている場合、あなたの合計所得金額1年間で95万円を超えると配偶者の税金の負担が増え始めます。
※合計所得が増えるごとに配偶者特別控除の効果が弱くなっていくため。


たとえば収入が仮想通貨の利益だけなら、1年間(1月~12月まで)の仮想通貨の利益を95万円以内にしておけば配偶者の税金が増えることはありません。

合計所得95万円ってなに?という方のために以下でわかりやすく説明していきます。


また、仮想通貨のほかにパートなどをしている場合については下記で説明しているのでチェックしておきましょう。

仮想通貨の稼ぎで合計所得金額95万円とは?
たとえば、あなたが1年間(1月~12月まで)にビットコインで稼いだ金額が95万円とすると、

95万円仮想通貨の収入0円経費 = 95万円雑所得
※計算をわかりやすくするために経費は0円としています。
※仮想通貨の利益は雑所得になります。

となります。仮想通貨以外に収入が無いとすると、あなたの合計所得金額は

95万円雑所得 = 95万円合計所得金額
※合計所得金額については合計所得金額とは?を参照。

となります。この場合、1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が95万円以内なのであなたの配偶者の税金の負担は増えません。つまり、ほかに収入がなければ95万円までなら仮想通貨でお金を稼いだとしても配偶者の税金の負担は増えないということです。

仮想通貨のほかにアルバイトもしている場合は?

たとえば仮想通貨のほかにパートやアルバイトもしており、1年間(1月~12月まで)の給料が90万円、仮想通貨の稼ぎが65万円(雑所得)の場合、あなたの配偶者の税金はどうなるのか。

まず、給与所得は、

90万円給与収入55万円給与所得控除 = 35万円給与所得
※給与所得控除については給与所得控除とは?を参照。
こちらのシミュレーションで給与所得の計算ができます。

となります。

つづいて、雑所得は、

65万円仮想通貨の収入0円経費 = 65万円雑所得
※計算をわかりやすくするために経費は0円としています。
※仮想通貨の利益は雑所得になります。

となります。

したがって、あなたの合計所得金額は、

35万円給与所得 + 65万円雑所得 = 100万円合計所得金額
※合計所得金額については合計所得金額とは?を参照。

となります。この場合、1年間(1月~12月まで)の合計所得金額が95万円を超えてしまっているので、あなたの配偶者の税金の負担は増えてしまいます。
配偶者の税金がどれくらい増えるのかについては下記の表にまとめているのでチェックしておきましょう。

配偶者の負担はいくら増える?

上記でも説明したように、1年間の合計所得金額が95万円を超えると、配偶者(たとえば夫)の税金の負担が徐々に増えていきます。


夫の年収にもよりますが、夫の税金の負担は約0.1~11万円増す場合が多いでしょう。
※夫の年収を250万円~900万円とした場合。


以下に年収別に税金額のシミュレーションをしているのでどれくらい高くなるのかチェックしてみてください。

少しずつ税金の負担が増える

たとえば、年収250万円~900万円の40歳以下社会保険加入の夫が配偶者特別控除を利用していた場合。妻の合計所得が増えるごとに徐々に税金の負担が増えていきます。
 

妻の合計所得金額 夫の年収250~400万円のとき 夫の年収500~600万円のとき 夫の年収700~900万円のとき
95万円以下 税金は0円高くなります。
所得税0円
住民税0円
税金は0円高くなります。
所得税0円
住民税0円
税金は0円高くなります。
所得税0円
住民税0円
100万円以下 税金は約1,000円高くなります。
所得税1,000円
住民税0円
税金は約2,000円高くなります。
所得税2,000円
住民税0円
税金は約4,000円高くなります。
所得税4,000円
住民税0円
105万円以下 税金は約6,000円高くなります。
所得税3,500円
住民税2,000円
税金は約9,000円高くなります。
所得税7,000円
住民税2,000円
税金は約16,000円高くなります。
所得税14,000円
住民税2,000円
110万円以下 税金は約13,000円高くなります。
所得税6,000円
住民税7,000円
税金は約19,000円高くなります。
所得税12,000円
住民税7,000円
税金は約31,000円高くなります。
所得税24,000円
住民税7,000円
115万円以下 税金は約21,000円高くなります。
所得税8,500円
住民税12,000円
税金は約29,000円高くなります。
所得税17,000円
住民税12,000円
税金は約46,000円高くなります。
所得税34,000円
住民税12,000円
120万円以下 税金は約28,000円高くなります。
所得税11,000円
住民税17,000円
税金は約39,000円高くなります。
所得税22,000円
住民税17,000円
税金は約61,000円高くなります。
所得税44,000円
住民税17,000円
125万円以下 税金は約36,000円高くなります。
所得税13,500円
住民税22,000円
税金は約49,000円高くなります。
所得税27,000円
住民税22,000円
税金は約76,000円高くなります。
所得税54,000円
住民税22,000円
130万円以下 税金は約43,000円高くなります。
所得税16,000円
住民税27,000円
税金は約59,000円高くなります。
所得税32,000円
住民税27,000円
税金は約81,000円高くなります。
所得税64,000円
住民税27,000円
133万円以下 税金は約48,000円高くなります。
所得税17,500円
住民税30,000円
税金は約65,000円高くなります。
所得税35,000円
住民税30,000円
税金は約100,000円高くなります。
所得税70,000円
住民税30,000円
133万円超え 税金は約52,000円高くなります。
所得税19,000円
住民税33,000円
税金は約71,000円高くなります。
所得税38,000円
住民税33,000円
税金は約109,000円高くなります。
所得税76,000円
住民税33,000円
確定申告をする必要ある?

ビットコインなどの仮想通貨の利益があるときは確定申告をして所得の申告をする必要があります。
※ただし、合計所得が48万円以下なら申告しても所得税は0円になります。
※住民税の申告についてはお住まいの市区町村によります。



ですが、あなたがパートやアルバイトをしながら仮想通貨の利益もある場合、仮想通貨の利益が1年間で20万円以内なら確定申告をする必要がありません。
※仮想通貨の利益があるときの確定申告のやりかたはこちらのページを参照。


したがって、所得の申告などをするのが面倒なひとは仮想通貨の利益を20万円以内に調整しておくことをオススメします。

20万円以内なら確定申告は不要

あなたがパートやアルバイトなどで給料をもらっている場合、ビットコインなどの仮想通貨の利益があれば税金が加算されますが、給料をもらっているひとは雑所得(仮想通貨の利益)が1年間(1月~12月まで)で20万円以内ならば確定申告をしなくてもいい決まりになっています。
つまり、ビットコインなどの仮想通貨の利益が20万円以内なら仮想通貨で稼いだぶんの税金は支払わなくていいということになります。

※経費は0円としています。雑所得の計算式などは雑所得とは?を参照。
※参照:国税庁の給与所得者で確定申告が必要な人ページ

仮想通貨の利益別シミュレーション

ビットコインなどの仮想通貨でお金を稼いだときにかかる税金をシミュレーションした結果を以下にまとめました。

あなたが扶養されている夫or妻であり、仮想通貨でお金を稼ごうとしている場合はチェックしておきましょう。

仮想通貨でお金を稼いだときの税金表

扶養されている夫or妻の収入がビットコインなどの仮想通貨による利益だけの場合、税金は以下のようになります。



仮想通貨による収入(雑所得) あなたにかかる税金
100万円 約4万円
200万円 約18万円
300万円 約31万円
400万円 約50万円
500万円 約73万円
手取りや保険料なども知りたい方は以下のページをチェック

仮想通貨の税金はどれくらい?利益10~1,000万円でいくら?

ここまでのまとめ

ここまで説明したように、配偶者に扶養されている方がビットコインなどの仮想通貨でお金を稼いだときは税金や扶養に注意しなければなりません。

仮想通貨の利益と扶養の関係をまとめたものが以下になります。

配偶者に扶養されている方はチェックしておきましょう。

ここまでのまとめ

  • 収入が130万円以上になると自分で20万円以上の保険料を支払うことになる。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 仮想通貨の利益が95万円を超えると配偶者の税金の負担が増えはじめる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 仮想通貨以外にアルバイトなどの収入もある場合は所得を合算して95万円を超えると配偶者の税金の負担が増えはじめる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 配偶者の税金は約0.1~11万円増える。
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 基本的に確定申告が必要。しかしアルバイトなどもしており、仮想通貨の利益が20万円以内なら確定申告は必要なし。
    ※くわしくは上記で説明しています。

利益がたくさんあれば配偶者(たとえば夫)の税金の負担が増しますが、あなたが数百万円・数千万円などのお金を稼げる見込みがあるなら扶養なんて気にせずに集中してガンガン稼いでお金を稼ぐ力を育てたほうが賢明です。

扶養から外れてもせいぜい30~40万円の負担増になるだけなので、稼げるなら扶養なんて気にせずにどんどん稼いでください。