退職後、無職でも住民税は高い?安くなるのは2年目から?

2021.04.04 更新
アルバイトやサラリーマンなどが会社を退職して収入が無くなったとき、住民税はどれくらいになるの?と不安に思うひとは多くいるでしょう。この記事では退職後の住民税について説明していきます。
この記事の目次

退職後、収入が無くても最初の年の住民税は高い?

サラリーマンやアルバイトなどが退職して収入が無くなり、1月~12月までの収入が0円だとすると、その年の所得税は0円になります。


ですが、住民税については退職後に収入が0円だとしても最初の年はしっかり課税されます。


なぜかというと、住民税は前年1月~12月までの所得によって決定するためです。したがって、現在収入が無くても退職して最初の年の住民税は安くないんです。くわしくは以下で説明していきます。

無職でも最初の年の住民税が高いのは前年の所得で決まるから?

住民税前年1月~12月までの所得によって決まります。
※所得については所得ってなに?を参照。

したがって、サラリーマンなどとして前年1月~12月にお金を稼いでいれば今年の住民税はそれなりの金額になります。

たとえば、40歳未満・独身・東京都世田谷区に住んでいる方が2021年3月に退職した場合、前年(2020年)1月~12月までの給料(総支給額)が400万円だとすると、今年度(6月~5月まで)の住民税は約179,000円になります。
※ちなみに、前年の所得が0円だとすると1年間の住民税は0円になります。

3月末に退職したときの住民税シミュレーション

住民税は前年1月~12月の所得をもとに今年度の税額が計算されます。


以下に退職した初年度の住民税、退職した翌年度の住民税、退職した翌々年度の住民税をシミュレーションしました。

3月末に退職したときの住民税
退職前の年収が500万円(月収約42万円)とした場合のシミュレーションです。
※住民税は6月から翌年5月までの合計が1年分となります。


初年度の住民税
1年間で約247,000円

翌年度の住民税
1年間で5,000円

翌々年度の住民税
1年間で0円

※計算過程は以下で説明しています。

それぞれの住民税の計算は以下のように行いました。退職予定のサラリーマンなどはチェックしておきましょう。

退職した初年度の住民税
たとえば2021年3月31日に退職し、4月1日から収入が0円になった場合。

①まず給与所得を計算
前年(2020年)1月~12月までの給与収入が500万円だったとすると、給与所得は

500万円給与収入144万円給与所得控除 = 356万円給与所得
給与所得控除についてはこちらを参照

となります。

給与所得のほかに所得がないので、これが総所得金額となります。



②次に課税所得の計算
総所得金額(356万円)が計算できたので次に課税所得を計算します。課税所得は、

356万円総所得金額所得控除しょとくこうじょ = 課税所得

総所得金額とは:各所得の合計(一部所得は除く)。
所得控除とは:税の負担を軽くするもの。

となります。所得控除を114万円とすると、

356万円総所得金額114万円所得控除 = 242万円課税所得

課税所得については課税所得とは?を参照。
所得控除についてはこちらを参照。

となります。

③住民税を計算
課税所得がわかったので、住民税を計算します。住民税の計算式は、

所得割 + 均等割 = 住民税

なので、まず所得割を求めます。

所得割は、

所得割 = 課税所得 × 10%

なので、課税所得の242万円をあてはめると、所得割は、

242万円 × 10% = 242,000円所得割
住民税率は全国一律10%です。

となります。

均等割は定額で5000円なので、住民税は、

242,000円所得割 + 5,000円均等割 = 247,000円住民税
※世田谷区・独身・40歳未満のサラリーマンとして計算。

となります。

以下のページで税金や保険料がいくらになるかシミュレーションすることができます。

手取りと税金をパッと計算!かんたんシミュレーション

退職した翌年度の住民税
たとえば年収500万円(月収約42万円)のサラリーマンが2021年3月31日に退職し、4月1日から収入が0円になった場合。

翌年(2022年)の住民税は今年(2021年)1月~12月までの所得をもとに決定されます。

今年3月31日に退職しており、4月からは収入0円なので、今年1月~12月までの給与収入が126万円(月収42万円 × 3)だったとすると、翌年の住民税は5,000円となります。

※今年4月までの社会保険料が約18万円、今年4月から国民年金と国民健康保険に加入し、12月までの保険料が合計約41万円となるので、社会保険料控除が合計約69万円となります。したがって、給与収入126万円(給与所得71万円)から所得控除(基礎控除48万円 + 社会保険料控除69万円)を差し引くと、課税所得は0円になります。したがって、所得割は0円なので、均等割の5,000円だけ課税されることになります。
※世田谷区・独身・40歳未満のサラリーマンとして計算。

退職した翌々年度の住民税
たとえば年収500万円(月収約42万円)のサラリーマンが2021年3月31日に退職し、4月1日から収入が0円になった場合。

翌々年(2023年)の住民税は前年(2022年)1月~12月までの所得をもとに決定されます。

2021年3月31日に退職しており、2021年4月からは収入0円なので、2022年の収入は0円となります。したがって、翌々年の住民税は0円となります。
所得が少ないひとは住民税が0円?

所得が少ないひとは住民税の均等割が課税されません。たとえば無職で今年度の収入が0円(所得が無い)場合、翌年の住民税は0円となります。くわしくは以下のページで説明しています。

年度の途中で退職したときの住民税シミュレーション

住民税は前年1月~12月の所得をもとに今年度の税額が計算されます。


以下に年度の途中(10月末)で退職したときの住民税をシミュレーションしました。


退職した初年度の住民税、退職した翌年度の住民税、退職した翌々年度の住民税をそれぞれシミュレーションしています。

10月末で退職したときの住民税
退職前の年収が500万円(月収約42万円)とした場合のシミュレーションです。
※住民税は6月から翌年5月までの合計が1年分となります。


初年度の住民税
1年間で約144,000円
※10月に退職後、今年11月~翌年5月までの住民税。

翌年度の住民税
1年間で約192,000円
※退職後、翌年6月から翌々年5月までの住民税。

翌々年度の住民税
1年間で0円

※計算過程は以下で説明しています。

それぞれの住民税の計算は以下のように行いました。退職予定のサラリーマンなどはチェックしておきましょう。

退職した初年度の住民税
たとえば年収500万円(月収約42万円)のサラリーマンが2021年10月末に退職し、11月から収入が0円になった場合。

今年度(6月から翌年5月まで)の住民税は前年1月~12月までの所得によって決まります。

前年1月~12月までの収入が500万円の場合、今年度の住民税は約247,000円となります。

したがって10月末に退職後の住民税は、2021年11月~翌年5月までの7カ月分の約14万円を支払うことになります。

※住民税は6月から翌年5月までの合計が1年分となります。

247,000円1年間の住民税 ÷ 12 × 7カ月分 = 約144,000円11月から翌年5月までの住民税
※世田谷区・独身・40歳未満のサラリーマンとして計算。
退職した翌年度の住民税
たとえば年収500万円(月収約42万円)のサラリーマンが2021年10月末に退職し、11月から収入が0円になった場合。

翌年(2022年)の住民税は今年(2021年)1月~12月までの所得をもとに決定されます。

今年(2021年)10月末に退職しており、11月からは収入0円なので、今年1月~12月までの給与収入が420万円(月収42万円 × 10)だったとすると、翌年の住民税は192,000円となります。

※世田谷区・独身・40歳未満のサラリーマンとして計算。

退職した翌々年度の住民税
たとえば年収500万円(月収約42万円)のサラリーマンが2021年10月末に退職し、11月から収入が0円になった場合。

翌々年(2023年)の住民税は前年(2022年)1月~12月までの所得をもとに決定されます。

2021年10月末に退職しており、2021年4月からは収入0円なので、2022年の収入は0円となります。したがって、翌々年の住民税は0円となります。

ここまでのまとめ

ここまで説明したように、退職してすぐの住民税はそれなりの金額になります。住民税が安くなるのは収入が無くなって2年目からです。

退職後に収入が0円だからといって初年度の住民税も安くなると思っているサラリーマンなどの方はしっかり覚えておきましょう。

ここまでのまとめ

  • 退職後、収入が0円でも初年度の住民税はそれなりの金額になる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 住民税は前年1月~12月までの所得によって決まる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 退職した初年度、翌年度、翌々年度で住民税が変わる
    ※くわしくは上記で説明しています。

  • 1年間の所得が少ないと住民税が0円になる
    ※くわしくは上記で説明しています。



3月末に退職したときの住民税
退職前の年収が500万円(月収約42万円)とした場合のシミュレーションです。
※住民税は6月から翌年5月までの合計が1年分となります。


初年度の住民税
1年間で約247,000円

翌年度の住民税
1年間で5,000円

翌々年度の住民税
1年間で0円



10月末で退職したときの住民税
退職前の年収が500万円(月収約42万円)とした場合のシミュレーションです。
※住民税は6月から翌年5月までの合計が1年分となります。


初年度の住民税
1年間で約144,000円
※10月に退職後、今年11月~翌年5月までの住民税。

翌年度の住民税
1年間で約192,000円
※退職後、翌年6月から翌々年5月までの住民税。

翌々年度の住民税
1年間で0円

退職予定のサラリーマンなどの方は上記のまとめを覚えておきましょう。