更新日:2022年7月7日
ここでは公的年金等控除とはなにか、老後の年金の税金がいくらになるかなどについて説明していきます。

公的年金等控除とは?の目次
公的年金等控除とは、公的年金等の金額に応じて定められている控除額です。
※公的年金等とは国民年金や厚生年金などのこと(企業年金やiDeCoなども含みます)。
※参照:国税庁公的年金等の課税関係
公的年金等控除額
※令和4年分については、65歳以上の方とは昭和33年1月1日以前に生まれた方、65歳未満の方とは昭和33年1月2日以後に生まれた方になります。
※公的年金等とは国民年金や厚生年金などのこと(企業年金やiDeCoなども含みます)。
※私的年金(個人年金など)は公的年金等控除が適用されません(国民年金基金などは除く)。公的年金等控除が適用されない私的年金については年金以外の収入となります。
※参照:国税庁公的年金等の課税関係
公的年金等控除を計算してみましょう
たとえば65歳以上の方の年金収入が1年間(1月~12月まで)で120万円のとき公的年金等控除額は110万円になります。
※公的年金等控除はこちらのシミュレーションで計算できます。
65歳未満の方の年金収入が1年間(1月~12月まで)で120万円のとき公的年金等控除額は60万円になります。上記のように、年齢や年金収入によって控除額が変わります。年金収入いくらから税金がかかる等については次の項目で説明しています。
※2020年1月から公的年金等控除が一律10万円引き下げられました。2019年度の場合についてはこちらのページの変化前を参照。また、年金以外の合計所得金額が1,000万円を超えると控除額が減額されます。
年金の所得は以下のように計算されます。
年金の所得計算式
※年金収入とは、1年間(1月~12月まで)の公的年金等による収入(国民年金や厚生年金など)のことをいいます。iDeCoや企業年金等については公的年金等に含まれるので公的年金等控除が適用されます。
※私的年金(個人年金など)は含まれません(国民年金基金などは除く)。公的年金等控除が適用されない私的年金は年金以外の収入となります。
※参照:国税庁公的年金等の課税関係
所得控除については所得控除とは?を参照。
雑所得については雑所得とは?を参照。
年金の所得計算例
たとえば、1年間(1月~12月まで)の年金収入が190万円で公的年金等控除が110万円のとき、年金についての所得(雑所得)は、
190万円 –
110万円 =
80万円
※65歳未満の場合、公的年金等控除は75万円になります。くわしくは上記の表を参照。
※雑所得については雑所得とは?を参照。
となります。収入が年金のみとした場合、所得税の計算式は以下のようになります。
(80万円 – 所得控除) × 税率 = 所得税
したがって、所得控除額が雑所得を上回れば税金がかからないことになります。年金についての税金の計算例は以下で説明しています。
注 意
※障害年金や遺族年金は非課税なので、障害年金または遺族年金による収入には税金はかけられません。
では次に、年金収入がいくらから税金がかかるのか下記で説明していきます。年金をもらう予定の方はチェックしておきましょう。
年金にも税金がかかりますが、一定以下の収入なら税金がかけられません。たとえば、
住民税なら年金収入155万円までは住民税が課税されません。
※お住まいの地域によっては148万円などの場合もあります。
年金収入がいくらから税金がかかるかについて
65歳以上と65歳未満の場合で説明しています(くわしい計算過程は
下記の記事を参照)。税金が0円になる年金収入が気になる方はチェックしておきましょう。
年金収入いくらから税金がかかる?
【例】年金の税金計算
たとえば、65歳以上の方の年金収入が1年間(1月~12月まで)で200万円でそれ以外に収入がない場合。
年金についての所得(雑所得)は、
200万円 – 公的年金等控除 = 雑所得
となります。
65歳以上で年金収入が330万円未満なので、公的年金等控除額は110万円となります。
したがって、年金についての所得(雑所得)は、
200万円 –
110万円 =
90万円
※65歳未満の場合、公的年金等控除は775,000円になります。くわしくは上記の表を参照。
※年金の所得はこちらで計算できます。
※雑所得については雑所得とは?を参照。
となります。
雑所得のほかに所得がないので、これが総所得金額となります。
したがって、課税所得は、
90万円 -
所得控除 =
課税所得
総所得金額については、総所得金額とはを参照。
課税所得については、課税所得とは?を参照。
となります。
所得控除を48万円とすると、課税所得は、
90万円 -
48万円 =
42万円
所得控除については、所得控除とは?を参照。
となります。所得税をもとめる式は、
42万円 × 税率 =
所得税
所得税については、所得税とは?を参照。
となります。課税所得が195万円以下のときは税率が5%なので、所得税は、
42万円 × 5% =
21,000円
所得税率については、所得税の税率を参照。
となります。
以下のページは年金の税金が簡単にシミュレーションできる計算機です。
年金収入から税金額と手取りを計算!
年齢が65歳未満でも年金にかかる税金をシミュレーションできます。自分がもらう年金にどれくらい税金がかかるか計算してみたい方は以下のページでシミュレーションしてみましょう。
配偶者がいる場合や年金のほかに所得がある場合などでも計算できます。
年金は源泉徴収されてから受けとるので、基本的には確定申告をする必要はありません。
ただし、次のいずれかにあてはまる方は確定申告をする必要があります。
確定申告が必要な方
- 年金収入が400万円超の方
- 年金以外の所得金額(給与所得、年金以外の雑所得など)の合計が20万円超の方
※上記にあてはまらなくても、源泉徴収によって税金を納めすぎているときや医療費控除を利用したときには確定申告を行うと税金が戻ってくる場合があります。