無職でも仮想通貨の利益に税金かかる?0円でも確定申告はする?

2024.04.20 更新
無職の方がビットコイン取引やマイニングをして利益があったとき、税金や保険料がいくらかかるのか。この記事は無職の方が仮想通貨で利益を得た場合について説明しています。

この記事のポイント(要点まとめ)


▶いくらから税金がかかるの?
仮想通貨の利益(雑所得)が45万を超えると税金がかかる。市区町村によっては42万や38万を超えたらかかる場合もある。
※くわしくは下記で説明しています。


▶仮想通貨の税金ってどれくらいかかるの?
仮想通貨の利益が100万円のとき手取りは約65万円になる。
※年収ごとのシミュレーションを下記で説明しています。


▶確定申告はしなきゃいけないの?
基本的に確定申告が必要。ただし、所得が48万以下なら確定申告しても所得税は0円になる。
※くわしくは下記で説明しています。


この記事の目次

無職でいるあいだに仮想通貨取引でお金を稼ごうと考えている方は、税金や手取りがいくらになるかザッと把握しておきましょう。
※また、いくらから税金がかかるのか、確定申告などについてもしっかりチェックしておきましょう。

仮想通貨の利益がいくらまでなら税金がかからない?
無職でビットコインの利益が45万円以下なら税金はかからない

仮想通貨でお金を稼げば税金がかかります。

ただし、1年間(1月~12月まで)に稼いだ金額がそれほど多くなければ税金は0円になります。

所得税と住民税についてそれぞれ下記で説明していきます。

所得税はいくらまでなら0円?

あなたが無職でほかに収入がない場合、1年間(1月~12月まで)の仮想通貨の利益が48万円以下なら所得税はかかりません。
※仮想通貨の利益は雑所得として計算しています。

したがって、確定申告をしても所得税は0円になります。

※つまり、所得が雑所得のみであり、48万円以下なら所得税は0円になります。一律に控除される「基礎控除48万円」のおかげで所得が48万円以下なら課税所得が0円になるので所得税がかかりません。
※くわしい理由はなぜ所得が48万円以下だと所得税は0円になる?で説明しています。

住民税はいくらまでなら0円?

住民税については1年間の所得が45万円を超えるとかかり始めます。

したがって、ビットコインなどの仮想通貨で稼いだお金が1年間で45万円以下なら税金は0円になります。

※収入が仮想通貨のみの場合。
※仮想通貨の利益は雑所得として計算しています。
※45万円を超えると住民税が課税されます。お住まいの市区町村によっては42万円や38万円などの場合があります。くわしくは市区町村によって0円になる条件が違う?を参照。


確定申告をする必要はある?

仮想通貨で利益を得たときは基本的に確定申告をしなければなりません。確定申告をしないと脱税でペナルティを与えられる場合があるので気をつけてください。


ただし、あなたが無職でほかに収入がない場合、1年間(1月~12月末まで)の雑所得が48万円以下なら確定申告は不要(基礎控除で所得税が0円になるため)。
※参照:国税庁確定申告が必要な方

注意
※雑所得が48万以下で確定申告をしない場合でも、住民税の申告は必要になります。確定申告をした場合は住民税の申告は必要ありません。確定申告はネットで簡単に作成できるのでオススメです。申告しなくてバレないか不安になるよりも、サッと申告を終わらせてしまいましょう。
確定申告のやりかた
確定申告をする期間は決まっており、今年1年間(1月~12月まで)の収入について確定申告をする場合は翌年の2月16日~3月15日のあいだに申告をしましょう。
※期限に遅れても申告できますが、税金が加算されるなどの罰則が与えられる場合があるのでなるべく期間内に申告することを心がけましょう。

▶確定申告のながれ
STEP➊身分証明書など必要なものを用意する
※勤務先の給与収入などあれば入力することになるので源泉徴収票も用意しましょう。
STEP➋確定申告書を作成する
STEP➌確定申告書を郵送する(税金を支払うまたは払い戻される)

くわしい手順は下記の記事で説明しています。

収入が少なくても確定申告をしたほうがいい?

収入が少なくて、自分にかかる税金が0円だったとしても確定申告をすることをおすすめします。
なぜかというと、確定申告をして「自分の所得が少ない」ことを申告することによって保険料が安くなったり、非課税証明書を発行できるためです。
申告をしていなければ非課税証明書を発行できなかったり、減額の対象にならない場合があるので注意しましょう。


したがって、利益が少額だったとしても確定申告をして自分の所得を申告することをオススメします。
※国民年金の免除については国民年金を免除すると0円になる?を参照。
※国民健康保険料については無職の場合の国民健康保険料はいくら?を参照。


扶養されている場合はどうなる?

ビットコインなどの仮想通貨でたくさん利益が出たときに考えなくてはいけないのが「扶養」のことです。

あなたが誰にも扶養されていない場合は問題ありません。

しかし、親族に扶養されているひとがビットコインなどの仮想通貨で48万円を超える金額を稼いでしまうと「扶養から外れて親族の税金の負担が増してしまう」のです。
※厳密には1年間の合計所得が48万円を超えると扶養から外れます。


仮想通貨で稼いだ金額がそれほど多くなければ問題ないのですが、合計所得が48万円を超えると扶養から外れてしまいます。くわしくは下記の記事で説明しています
※たとえば子供が扶養から外れれば、扶養していた方の税金は約5万円~17万円増えてしまいます。
※年収によってさらに増える場合もあります。

130万以上で社会保険の扶養を外れる?

たとえば仮想通貨の収入(雑所得)が1年間で130万円でそれ以外に収入がない場合、国民健康保険料は年間で約14万円になります。
現在、社会保険の扶養になっており、国民健康保険の保険料を支払いたくない場合は1年間の収入を130万円未満にしておくことをオススメします。また、あなたが20歳以上なら国民年金の保険料も支払うことになります。国民年金の保険料は年間約20万円です。

※経費は0円としています。
※国民健康保険については国民健康保険とは?を参照。
※保険料はこちらのページでシミュレーションを行いました。
※東京都世田谷区、年齢39歳以下、加入者1人としてシミュレーションしています。


仮想通貨の利益20万円のときの税額シミュレーション

現在無職のひとが仮想通貨による利益(雑所得)が20万円だった場合、税金がどれくらいになるか収入別にシミュレーションしました。以下に表でまとめています。

仮想通貨でお金を稼ぐつもりのひとはチェックしておきましょう。
雑所得については雑所得とは?で説明しています。

1年間で20万円の収入を得たとき
 

あなたの税金は? あなたにかかる税金は0円です。
所得税0円、住民税が0円。
年金保険料は? あなたが支払う年金保険料は1年間で約200,000円です。
国民年金に加入している場合。全額免除または納付猶予をした場合は保険料は0円になります。
国民健康保険料は? あなたが支払う保険料は1年間で約60,000円です。
※世田谷区で計算した場合。国民健康保険料はお住まいの市区町村で保険料は変わります。保険料が減額された場合には約16,000円になります。
あなたの手取りは? あなたの手取りは約-58,000円です。
※金額はこちらのページでシミュレーション(雑所得のみとして計算)。

※シミュレーション結果はおおよその金額です。
※40歳未満・独身・無職とした場合。
※結果がわかりやすいように経費は0円としています。
※収入は雑所得のみとして計算しています。



仮想通貨の利益50万円のときの税額シミュレーション

現在無職のひとが仮想通貨による利益(雑所得)が50万円だった場合、税金がどれくらいになるか収入別にシミュレーションしました。以下に表でまとめています。

仮想通貨でお金を稼ぐつもりのひとはチェックしておきましょう。

1年間で50万円の収入を得たとき
 

あなたの税金は? あなたにかかる税金は5,000円です。
所得税0円、住民税が5,000円。
※年金や保険料を自分で支払っていない場合は所得税が1,000円課税されます。
年金保険料は? あなたが支払う年金保険料は1年間で約200,000円です。
国民年金に加入している場合。全額免除または納付猶予をした場合は保険料は0円になります。
国民健康保険料は? あなたが支払う保険料は1年間で約67,000円です。
※世田谷区で計算した場合。国民健康保険料はお住まいの市区町村で保険料は変わります。保険料が減額された場合には2~5割減額されます。
あなたの手取りは? あなたの手取りは約230,000円です。
※金額はこちらのページでシミュレーション(雑所得のみとして計算)。

※シミュレーション結果はおおよその金額です。
※40歳未満・独身・無職とした場合。
※結果がわかりやすいように経費は0円としています。
※収入は雑所得のみとして計算しています。



仮想通貨の利益100万円のときの税額シミュレーション

現在無職のひとが仮想通貨による利益(雑所得)が100万円だった場合、税金がどれくらいになるか収入別にシミュレーションしました。以下に表でまとめています。

仮想通貨でお金を稼ぐつもりのひとはチェックしておきましょう。

1年間で100万円の収入を得たとき
 

あなたの税金は? あなたにかかる税金は約39,000円です。
所得税約10,500円、住民税が約29,000円。
年金保険料は? あなたが支払う年金保険料は1年間で約200,000円です。
国民年金に加入している場合。免除制度をした場合は保険料は軽減されます。
国民健康保険料は? あなたが支払う保険料は1年間で約115,000円です。
※世田谷区で計算した場合。国民健康保険料はお住まいの市区町村で保険料は変わります。
あなたの手取りは? あなたの手取りは約650,000円です。
※金額はこちらのページでシミュレーション(雑所得のみとして計算)。

※シミュレーション結果はおおよその金額です。
※40歳未満・独身・無職とした場合。
※結果がわかりやすいように経費は0円としています。
※収入は雑所得のみとして計算しています。


仮想通貨の利益200万円のときの税額シミュレーション

現在無職のひとが仮想通貨による利益(雑所得)が200万円だった場合、税金がどれくらいになるか収入別にシミュレーションしました。以下に表でまとめています。

仮想通貨でお金を稼ぐつもりのひとはチェックしておきましょう。

1年間で200万円の収入を得たとき
 

あなたの税金は? あなたにかかる税金は約176,000円です。
所得税約57,000円、住民税が約119,000円。
年金保険料は? あなたが支払う年金保険料は1年間で約200,000円です。
国民年金に加入している場合。
国民健康保険料は? あなたが支払う保険料は1年間で約210,000円です。
※世田谷区で計算した場合。国民健康保険料はお住まいの市区町村で保険料は変わります。
あなたの手取りは? あなたの手取りは約1,410,000円です。
※金額はこちらのページでシミュレーション(雑所得のみとして計算)。

※シミュレーション結果はおおよその金額です。
※40歳未満・独身・無職とした場合。
※結果がわかりやすいように経費は0円としています。
※収入は雑所得のみとして計算しています。

利益が200万円以上~1,000万円ある場合は?

仮想通貨で利益がたくさんあれば税金や保険料もそれなりの金額になります。
また、稼いだ際には確定申告を忘れないようにしましょう。200万円以上の利益については下記の記事で説明しています。
※ちなみに、利益が300万円のとき手取りは約220万円になります。

仮想通貨の税金はどれくらい?利益10~1,000万円でいくら?


仮想通貨の税金はどう計算するの?利益500万円のとき

仮想通貨で稼いだお金は雑所得となります。

現在無職であり、仮想通貨による利益のほかに収入がない場合、雑所得は(仮想通貨で得た利益 – 必要経費)ということになります。
雑所得については雑所得とは?で説明しています。

仮想通貨に関する所得計算

仮想通貨で得た利益 - 必要経費 = 雑所得

※仮想通貨のほかに収入がない場合。
※必要経費には取引手数料などがあてはまります。

※雑所得については雑所得とは?で説明しています。

では、利益が500万円のときの税金について金額をあてはめて計算してみましょう。以下でシミュレーションしていきます。


税金の計算過程(収入が仮想通貨の利益500万円のみである場合)

現在無職のひとが仮想通貨で利益を得たとき、税金がいくらになるかシミュレーションしてみましょう。条件は以下のとおりです。


この条件で所得税はいくらになる?
たとえば1年間に仮想通貨で得た利益が500万円でそれ以外に収入がない場合。


①まず雑所得の計算をする
上記の条件のとき、雑所得は、

500万円仮想通貨で得た利益0円必要経費 = 500万円雑所得
計算をわかりやすくするため、必要経費は0円としています。

となります。

雑所得以外に所得はないので、500万円が総所得金額となります。
総所得金額とは:各所得の合計。

②次に課税所得の計算
総所得金額がわかったので、次に課税所得を計算します。

所得控除を120万円とすると、課税所得は、

500万円総所得金額120万円所得控除 = 380万円課税所得
総所得金額とは:各所得の合計。
所得控除とは:税の負担を軽くするもの。
課税所得については、課税所得とは?を参照。

となります。

③次に所得税の計算
以上から、所得税は

380万円課税所得 × 税率 = 所得税

となります。課税所得695万円以下は税率が20%(控除額427,500円)なので、所得税は、

380万円課税所得 × 20% – 427,500円 = 332,500円所得税
所得税の税率についてはこちらを参照。
所得税については所得税とはを参照。

となります。

住民税はいくらになる?
さらに、ここに住民税が加算されるので、

課税所得 × 10%住民税率 + 均等割 = 約39万円住民税
住民税については、住民税とは?を参照。

となり、所得税と合わせると約72万円が税金として利益から引かれることになります。
※厳密には住民税は前年の所得について計算されるので、その年に得た所得については翌年の住民税に反映されます。


税金は自分で申告して納めなければならないので、納税することを忘れてそのままにしてしまうことのないように気をつけてください。ビットコインなどでたくさん稼ぐつもりの方は下記の記事で手取りや税金をザッと把握しておきましょう。