アルバイト先などで「1年間の給料が103万円を超えたら親の税金が増えちゃうよ」と言われたことはないですか?
初めてアルバイトをする方は「なんで親の税金?自分の収入なんだから関係ないじゃん」と思う方もいるでしょう。
なぜそんなことを言われるのかというと、
では、この制度があなたの収入とどう関係しているのかもう少しくわしく見ていきましょう。
簡単に説明すると、あなたが1年間の給料を103万円以内にしておけば、あなたの親は扶養控除を利用することができるので、親の税金があがることはありません。
つまり、あなたの収入が1年間で103万円を超えてしまうと、親は扶養控除を利用できなくなって税金が上がってしまうということです。
親族の年収 | 親族が支払う税金 |
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年収250~400万円のとき | 親族が支払う税金は約52,000円高くなります。 ※所得税は19,000円、住民税は33,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収500~600万円のとき | 親族が支払う税金は約71,000円高くなります。 ※所得税は38,000円、住民税は33,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収700~900万円のとき | 親族が支払う税金は約110,000円高くなります。 ※所得税は76,000円、住民税は33,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
※扶養控除の対象となる家族1人あたり
※上記の表は親族(40歳以下・社会保険加入のサラリーマン)が扶養控除を利用できなくなった場合のシミュレーション。
●19歳以上22歳以下の学生が扶養から外れた場合
親族の年収 | 親族が支払う税金 |
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年収250~430万円のとき | 親族が支払う税金は約77,000円高くなります。 ※所得税は31,500円、住民税は45,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収540~640万円のとき | 親族が支払う税金は約110,000円高くなります。 ※所得税は63,000円、住民税は45,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
年収740~940万円のとき | 親族が支払う税金は約170,000円高くなります。 ※所得税は126,000円、住民税は45,000円 ※所得税と住民税はこちらで計算 |
※扶養控除の対象となる家族1人あたり
※上記の表は親族(40歳以下・社会保険加入のサラリーマン)が扶養控除を利用できなくなった場合のシミュレーション。
以上のように、アルバイトで1年間の収入が103万円を超えてしまうと、親の税金の負担が増してしまうので注意しましょう。
では、実際に計算をしてどのくらい税金の負担が変わるのか見てみましょう。
あなたの親御さんが扶養控除を利用したときの税金をシミュレーションしてみましょう。
扶養控除で所得税はいくらになる?
たとえば、あなたの父親の年間収入が給与収入のみで380万円、所得控除が110万円(
①まずは給与所得の計算
上記の条件のとき、給与所得は、
となります。給与所得のほかに所得がないので、これが総所得金額となります。
②まず課税所得を計算
総所得金額は計算できたので(260万円)、次に課税所得を計算します。課税所得は、
となります。
最初に決めた条件から、所得控除は110万円(
となります。
②所得税を計算
課税所得がわかったので次に所得税を計算します。所得税は、
となります。課税所得195万円以下は税率が5%なので、所得税は、
となります。
扶養控除を適用しないとどうなる?
扶養控除38万円が利用できなければ、そのぶん課税所得が増えるので、
となり、扶養控除を適用した場合と比べて税金の負担が重くなってしまいます。
したがって、あなたが親に扶養されており、親の税金の負担を増やしたくなければ1年間の収入を103万円にしておくことをおすすめします。
自分の収入と親の税金がどう関係しているのかなんて学校では習わないので、これからアルバイトを始めようとしている方は覚えておきましょう。
上記はここまでのまとめです。とくにアルバイトをたくさんしている学生はチェックしておきましょう。